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「特集:ジャンゴたち!」にあわせて、これだけは見るべし!! ジャンゴ映画6本を解説 [前編]

解説記事

2023.06.24

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ドラマ『ジャンゴ ザ・シリーズ』独占日本初放送にあわせて、この夏、ドラマではなく映画の“ジャンゴ”も満を持して特集放送。玉石混交あまたある“ジャンゴ”映画の中でも、まず見ておくべき作品はどれか!? 我々スターチャンネルは、マカロニ・ウエスタン研究家のセルジオ石熊氏にラインナップ策定に協力をいただいた。そしていよいよ、放送迫る今、セルジオ石熊氏みずからが推薦作を解説する映画コラムの第1弾、7月放送分をお届けしよう!

目次

■ジャンゴが先か、リンゴが先か?~『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』

(C) 1966 STUDIOCANAL - Fida Cinematografica

 ジャンゴ=『続・荒野の用心棒』は、ドイツをはじめヨーロッパ各国で大ヒットを記録し、ジャンゴの名は独り歩きを始めた。特に西ドイツではフランコ・ネロ主演作品はことごとく「ジャンゴ」のタイトルをつけられることになる。コルブッチは続編の依頼をあっさり断ったので、フランコ・ロゼッティは『続・荒野の用心棒』のプロデューサーの依頼で『殺しのジャンゴ/復讐の機関砲(ガトリングガン)』[1968]の脚本を書き、ネロにそっくりな若者テレンス・ヒルがジャンゴを演じた。さらに、関係ないのにジャンゴになったマカロニ俳優が続出した。

『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』[1967]=グレン・サクソン、『待つなジャンゴ引き金を引け』[1968]=ショーン・トッド、『ジャンゴ対サルタナ』[1968]=トニー・ケンドール、『ジャンゴの息子<未>』[1969]=ガイ・マディソン、『ジャンゴ・ザ・バスタード』[1969]『復讐のガンマン・ジャンゴ』[1971]=アンソニー・ステファン、『ジャンゴとサルタナ<未>』[1970]=ハント・パワーズなどなど。

 ジャンゴなんて出てこないのに『情無用のジャンゴ』[1967]や『血斗のジャンゴ』[1967]もあった。

 なかでも、本家「ジャンゴ」の数か月後に世に出た“パチモン・ジャンゴ”物の嚆矢が『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』だ。演じたのはオランダ出身のグレン・サクソン。体格のいい金髪のハンサムボーイ、アメリカの高校ならアメフト部にいそうなタイプだ。監督は『荒野の10万ドル』[1966]や007のパロディ『ドクター・コネリー/キッドブラザー作戦』[1967]のアルベルト・デ・マルチーノ。日本題『復讐のジャンゴ・岩山の決闘』はいかにも三流だが(テレビ放映時につけられたタイトルなので仕方ないか)、軽快な演出、キャラの立った登場人物、テクニカラー・テクニスコープの横長画面を活かした凝った画面構成、そして二転三転する工夫に満ちた脚本で、意外なほど(失礼)楽しめる快作西部劇だ。
 冒頭、荒野で豆煮を食べているジャンゴにあっさり殺される賞金稼ぎの名が「リンゴ」でまずマカロニ・ファンにウケるのだが、よく見ると演じているのがコルブッチの『ミネソタ無頼』やジュリアーノ・ジェンマ主演の“リンゴ”シリーズ『夕陽の用心棒』[1964]など、スペインで撮影されたマカロニでよく見るひ弱そうなスペイン人ホセ・マヌエル・マルティンなのには爆笑。同じく『夕陽の用心棒』や『南から来た用心棒』[1966]の悪役でおなじみの巨漢フェルナンド・サンチョがジャンゴを助ける気のいいデブ男を演じている。さらに、マカロニ界の名花イヴリン・スチュワート、エリカ・ブランがジャンゴを争って殴り合い……とマカロニ・ファンには見どころがいっぱいだ。
 ん、待てよ? でもどこがいったいジャンゴなんだ? と不思議に思ったが、そのうちわかって来る。これは、どちらかといえば『夕陽の用心棒』『南から来た用心棒』のジェンマ映画、すなわち明るく楽しい“リンゴ”ものマカロニ・ウエスタンを狙って企画されたのだが、何かの都合でジェンマが出られなくなって、代わりに連れてきた主役グレン・サクソンがどことなくジャンゴに似てるので、「よし、ジャンゴにしよう!」となったに違いない(勝手な想像ですが)。劇中、主人公は本名を名乗って登場するが、「ジャンゴじゃないか」と言われ、「メキシコではね」とサラっと受け流す。いかにも、吹替時に変更したようなとってつけた展開だ(マカロニは絵・音の同録ではなく、セリフは後からアフレコしていたのだ)。

 それでも、とにかくいち早く「ジャンゴ」ブームに乗ったこと(原題は「ジャンゴは先に撃つ!」)、そしてコルブッチ作品には欠かせない要素である墓場の場面が重要に使われているのは大変よろしい。できれば副題だけでも「墓場の決斗」にしてほしかった。
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