STAR EX

観る。掘る。もっと。

 

映画をより深く楽しむための特集企画。
月替わりで、あまり知られていない傑作・名作の掘り起こしや、
なかなかお目にかかれなかったレアな逸品の掘り起こし特集などに加え、
これら作品の魅力を紐解き、深堀りするコラムほか特別企画なども展開し、
様々な映画の楽しみ方を探索していきます。

2022年10月
隠れた傑作ホラーを観る。掘る。もっと。
第3弾:『パペット・マスター』シリーズ一挙放送

知る人ぞ知る傑作ホラーをお届けするご好評企画が早くも第3弾を迎えました!
誰もが知っているような有名作ではないものの、
みどころに溢れたレアなホラー作品を特集放送。
今回はカルトホラーの傑作シリーズとして人気の高い
『パペット・マスター』シリーズの
第1作~第3作を一挙放送。
第2作と第3作ではそれぞれ新たなパペットが登場するなどみどころも多く、
迫りくるパペットたちの恐怖に震えること間違いなし!
ぜひ一挙放送でお楽しみください。

放送作品ラインナップ

【STAR2 字幕版】

STAR2 10/5(水)~10/7(金)よる 9:00~
3日連続放送/10/22(土)よる 11:10~ 一挙放送 ほか(全3作品)

特集 深堀り解説コラム
小さな殺人鬼『パペット・マスター』は亜流作品などではない
(解説・文/松崎健夫)
 

『パペット・マスター3/ナチス大決闘』

1980年代は、ホラー映画“シリーズ”を活性化させた時代だった。ホッケーマスク姿が印象的な『13日の金曜日』(80)のジェイソン・ボーヒーズ、『エルム街の悪夢』(84)のアイコンである鉄の鉤爪を持った殺人鬼フレディ・クルーガー、白塗りの顔にいくつもの釘が刺さった 『ヘルレイザー』(87)の魔道士ピンヘッド、狩猟を行う『プレデター』(87)の地球外生命体プレデターなど、これらの作品は1980年代に第1作が劇場公開されて、長きにわたってシリーズ作品や関連作品が製作され、ホラー映画の人気キャラクターを生み出したという共通点がある。

それだけではない、『悪魔のいけにえ』(74)のレザーフェイス、『ハロウィン』(78)のマイケル・マイヤーズ、さらには『エイリアン』(79)といったホラー映画のシリーズも、誕生した時代こそ1970年代だったが、シリーズ化されたのは1980年代になってからなのだ。ホラー映画の人気キャラクターが群雄割拠することで、『エイリアンVSプレデター』(04)や『フレディVSジェイソン』(03)など作品同士のクロスオーバーによる対決ものが企画・映画化されるなどに至ったことは周知の通り。

 そんな1980年代に第1作が製作され、シリーズ化を経たうえ2020年代になっても関連作品が製作され続けているのが、今回シリーズ3作品を放送する『パペット・マスター』(89)である。本シリーズは、生命を吹き込まれた小さな人形たちが殺戮を繰り返す姿を、手をかえ品をかえながら描かれてきたという経緯がある。実は日本では劇場公開されず、レンタルビデオ隆盛の時代にビデオ発売扱いだった作品。リメイクやクロスオーバー作品を含めた関連作は、実に14作もある(2022年現在)。『パペット・マスター』は製作から33年が経過した2022年になって初Blu-ray化されるなど、今なおカルト的な人気を誇っている。

『パペット・マスター』

  『パペット・マスター』シリーズを語る上で欠かせない人物がいる。それは、第1作で製作総指揮を担当したチャールズ・バンドである。彼は1983年に、ホラー映画を中心に映画製作を手掛けるエンパイア・ピクチャーズを設立。日本でも劇場公開されたスチュアート・ゴードン監督の『フロム・ビヨンド』(86)や、藤岡弘主演の『SFソードキル』(86)を製作したことで知られる映画会社だった。残念ながら、エンパイア・ピクチャーズは資金調達に失敗して短命に終わってしまう。その後、チャールズ・バンドが新たに立ち上げたフルムーン・エンタテイント(後に“フルムーン・フィーチャーズ”などに社名変更の経緯がある)で、ハリウッドメジャーのパラマウント・ピクチャーズと日本のパイオニア・ホーム・エンタテインメントとが組んで製作した最初の作品が『パペット・マスター』だった。

 当時の経済界はソニーがコロムビア・ピクチャーズを、パナソニックがユニヴァーサル・ピクチャーズ(当時はMCA)を買収して、日本企業が「ハリウッドを買った」とアメリカ国内で非難された時代。また、日本ビクターが『プレデター』のプロデューサーであるローレンス・ゴードンと組んでラルゴ・エンターテインメントを設立したり、『ランボー/怒りの脱出』(85)などをヒットさせながらも経営危機にあったカロルコ・ピクチャーズに対してパイアニアLDCが追加出資するなど、日本とハリウッドの経営的な距離が近くなった時代でもあった。つまり『パペット・マスター』は、日本と無縁の作品ではなく、そのことがカルト的なファンを多く生んだ由縁のひとつだとも思わせるのである。チャールズ・バンド本人も『パペット・マスター』シリーズに思い入れがあるようで、シリーズ8作目『パペット・マスター/悪魔の人形伝説』(03)などで監督を担当している。

『パペット・マスター3/ナチス大決闘』

チャールズ・バンドの一族は、アメリカのエンタメ界と深い関わりがある。例えば、弟のリチャード・バンドは映画音楽家。『宇宙からのツタンカーメン』(82)や『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』(92)などの音楽を手掛け、兄チャールズとは『SFソードキル』や『プリズン』(87)など、数多の映画で組んでいる。そもそも、父親のアルバート・バンドは1950年代にラス・タンブリン主演の西部劇『ヤング・ガン』(56)でデビューした映画監督。息子チャールズが1970年代に映画製作会社チャールズ・バンド・プロダクションを設立した際、大手スタジオと縁のないインディーズ映画を配給する厳しい状況に対してアドバイスし、前述のエンパイア・ピクチャーズ設立時にハリウッド産業との橋渡しをした功労者でもあった。ちなみに、チャールズの息子であるアレックス・バンドは、「Wherever You Will Go」をヒットさせたロックバンド“ザ・コーリング”のボーカルだったりする。

現在『パペット・マスター』は、前年に公開された『チャイルド・プレイ』(88)のヒットにあやかった、小さな殺人者の系譜にあたる作品だと評されている。だが果たして、本当にそうなのだろうか?『チャイルド・プレイ』の前年、チャールズ・バンド率いるエンパイア・ピクチャーズは、犯罪者の魂を封印した人形が登場する『ドールズ』(87)を製作している。さらに、チャールズ・バンド・プロダクションで製作した『デビルズ・ゾーン』(79)の舞台はカラクリ人形館だった。そして、『デビルズ・ゾーン』を監督したのは『パペット・マスター』のデヴィッド・シュモーラーだったりもする。『パペット・マスター』が『チャイルド・プレイ』の亜流版などではない、とする筆者の見立ての証左のひとつなのである。

【出典】『パペット・マスター』
公式サイト https://www.puppetmaster.jp/

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