テンペスト（２０１０）
『クィーン』でエリザベス女王を演じたヘレン・ミレンが、ミラノの元大公にして魔法使いに扮するシェイクスピア原作の復讐劇。
ブロードウェイ・ミュージカル「ライオン・キング」の演出で高く評価され、映画監督としても独自の映像感覚とパワフルな演出によって個性的な作品を発表してきたジュリー・テイモア。１９９９年製作の『タイタス』でシェイクスピア劇を血みどろ暴力劇として再創造した経験を活かし、再びシェイクスピア戯曲をテイモア節によって映画化。強く美しく、男以上に猛々しいヘレン・ミレンが、圧倒的なオーラを放っている。
【ストーリー】一人娘ミランダと孤島で暮らすプロスペラ。ミラノ大公だった夫亡き後、女性大公として民から愛されていた彼女は、弟アントーニオとナポリ王の策略で追放されてしまったのだった。狐島で１２年間を過ごしてきた彼女は、長い年月の間に魔術を極め、追放に加担した者たちに対する復讐の時を待ち構えていた。プロスペラは、今や大公になった弟と、かつて自分を陥れた一味の乗った船を魔術によって難破させ、孤島へと漂着させる。
