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ニール・パトリック・ハリスによるインタビューコメント全文公開!『IT'S A SIN 哀しみの天使たち』

ニール・パトリック・ハリス
ニール・パトリック・ハリス
 1980年代のイギリスを舞台にHIV/エイズに翻弄されるゲイの若者たちを描いたドラマ『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』(全5話)がスターチャンネルEXにて独占配信中。ヘンリー役を演じたニール・パトリック・ハリス(『ゴーン・ガール』、『ママと恋に落ちるまで』シリーズ)のインタビューコメントを全文解禁いたします。ぜひ本編とあわせてご覧ください。

Q:あなたの演じたヘンリー役についてお聞かせください。
A:ヘンリーはサヴィル通りにある高級紳士服の仕立屋で働いている。最初はコリンに良くない感情を持っているように見えるけど、すぐに彼の未熟さや若さ、純粋なところや繊細さに気づいて、そこからは彼を見守り、彼が今まで知らなかった道を示してあげる人物になるんだ。実は長く付き合っている彼氏がいて、ふたりだけの穏やかで幸せな生活を営んでいる面もある。それはあの当時に飽くなきカオスと個性を探し求めていた若い世代とは好対照になっているよ。

Q:ヘンリーは劇中ではメンター(良き助言者)のような存在ですね。実際、コリン役を演じたカラム・スコット・ハウエルズにとっては本当の相談相手になったのですか?
A:カラムには彼独自の世界観があるんだ。何でも自分のものにしてしまう前向きな才能の持ち主でね。彼からは色々と聞かれたし、一緒に飲みにも行ったよ。才能に恵まれているうえに礼儀正しくて謙虚で、自分の未来に対して大きな自信と大志を抱いている。前途明るい才能の持ち主たちの映画界でのキャリアの幕開けの場にいられてとても興奮したね。

Q:ニューメキシコ州出身の役者がヘンリーのような英国紳士役に抜擢されるのは珍しいことではないでしょうか。英国訛りはどのようにマスターしたのですか?
A:アクセントについては色々と質問したよ。何の意味もない一般的な英国訛りをただ単に習得するのは嫌だったから、より具体的な意味があるものをやりたかった。だからちゃんと正しくセリフが言えているかをアクセントコーチと一緒にトレーニングしたし、ちょっとデヴィッド・ニーヴン風になるように頑張ってみたよ!とても楽しい挑戦だったね。常日頃からイギリス人俳優たちは素晴らしい、才能のある人たちだと思っているよ。もうすぐ殺人ミステリーをテーマにした映画の監督をするから、今は髪の先からつま先までアガサ・クリスティに染まっているところだしね。それにPunchdrunkの参加型演劇やGoes Wrong Showの大ファンでもあるんだよ。自分が彼らの輪の中に入って演じることが場違いにならないかと不安だったこともあったね。

Q:これは多くの人々に伝えるべき物語だと考える理由と、なぜ今、このドラマなのか、その理由を教えてください。
A:HIV/エイズの話題は今もあるし、語られていくべきテーマでもある。様々な意味で今の方がむしろより一層重要なんだと思っているよ。これまでにも素晴らしいチャリティ活動の数々を行っているエルトン・ジョンが主催しているエイズ財団について、彼とは長く、深い話を続けているよ。僕らが今こうしている時代がエイズを撲滅できるかどうか転換期にあると彼らは考えているんだ。だからこそ、不確かな恐怖が広がった中で、エイズがどのように始まったのかを知り、それを考えることは非常に大事なことなんだよ。当時、病院に駆け込んでエイズやHIVと診断されたら、その患者の大半は病院から生きて帰ることができなかった。だからこそ以前と比べて少しは知識のある今の僕らの視点から当時の若者の姿を見ることで、モラルや教訓をより一層感じることができるんだ。

Q:本作のようなドラマがHIVやエイズというトピックに対してどのような役割を果たすことができると思いますか?
A:若い世代はおそらくHIV/エイズについて、PrEP(プレップ)を服用さえすれば大丈夫だと思っているかもしれない。このドラマを見て新たな視点を発見したり、治療薬がなかった時代のことを学んでくれたら嬉しいね。不確かな不安が暗い影を落とす時代に自分たちらしく生きた人々の始まりの物語を、こんな見事に創りあげたラッセルには称賛しかないよ。主人公たちに共感しつつ、人生を謳歌し、人を愛し、誇りを持つ姿に興奮し、それと同時にこのドラマにはそれ以上の深みがあることも感じられるのだからね……。第1話はとてもハッピーな調子で終わるんだ。それを観て視聴者は彼らの成功と喜び、幸せと愛と情熱、興奮が続くこと願うと思う。それと同時に彼らに待ち受ける未来とこのドラマの結末を案じるはずさ。観る人の感情をフルに刺激するすごい作品だよ。

Q:このストーリーには予想以上の喜びも多く描かれていますね。
A:ラッセルが穏やかに感じられる演出をしているのとセリフのリアルさのおかげだよ。不安が忍び寄る中で大人へと成長していく美しい子供たちの姿を描いているけれど、そこに誇張や重苦しさを感じないんだ。それはこのドラマが視聴者を不安にさせたり、悲しませたりするようなものではなく、80年代のイギリスにはHIV/エイズという現実があったことを描いているからさ。ラッセル以上に巧みにこのリアリティを形にすることができる人物なんていないだろうね。彼は会話形式にしてリアルに描くことで誰もが共感できるストーリーに仕上げたんだよ。

Q:撮影を通じてどんな80年代の思い出がよみがえりましたか?
A:当時はまだ子供で、HID/エイズについて理解するには幼かった。ニューメキシコ州の小さな町からロサンゼルスにやって来て、両親と共に子役として活動している頃だったから何も世間を知らなかったし、デートもしてなかったし、まだ自覚すらなかった。とはいえ、当時の僕のエージェントが子役専門で、彼女のアシスタントがゲイでね。彼や彼のパートナーであるキャスティングディレクターと親しくなったんだ。ほとんど何も知らない僕から見たら彼らはオープンで愉快で人生を謳歌しているように見えたよ。その後、彼は病気になってHIV/エイズの合併症で亡くなってしまったのだけれど、当時でさえ彼の死はまるで恥ずかしいことのように誰も多くを語ろうとしなかった。僕も含めて誰もオープンに話そうとはしなかったんだ。ある人が仕事に来られなくなった、どうやら具合が悪いらしい、亡くなったそうだよ、くらいしかね。誰もが語りたがらなかったし、話すことでよりリアルさが増すうえに、批判していると思われるのではないかという重苦しい雰囲気が漂っていたよ。いつも大きな悲しみに包まれる話題だった。今はそういう状況から前に踏み出すことができて嬉しいよ。今では前向きにオープンにすることは恥ずかしいことじゃない――マジック・ジョンソンやグレッグ・ローガニスといった人たちがエイズと共存している姿を見せてくれているしね。ちなみにドラマの撮影中に身近に感じたのはやはり孤独と隔絶といった感情だったよ。こんなに悲しい気持ちを誰とも共有できず、何もなかったようなフリをしていたなんて、すごく辛いことだっただろうね。こんな苦しみはどこかに発散するべきだったんだ。

Q:ラッセルの脚本はあなたにとってどんな意味のあるものでしたか? このドラマは視聴者にとってどんな意味を持つ作品になると思いますか?
A:僕は彼の熱烈なファンなんだ。彼の『Queer as Folk(原題)』はLGBTQへの理解が深まる重要な時期にいい刺激をもたらしてくれたドラマだった。エネルギーと刺激を与えてくれるものを探していただけに、夢中になれる作品だったよ。何度も何度も観たのを覚えている。だから今回、このドラマで彼と会えると知って、何でもいいから参加できると思ったらすごく幸せだったね。ラッセルには彼のスタイルを通じて様々な人とつながることのできる天性の才能がある。だから彼が描くならSFでも天変地異でも壮大な現代劇でも、どんなテーマでもすんなりと受け入れることができるんだ。それでいて中毒性があり色気もある。若いLGBTQ世代にはエロくてセクシーさもあるこのドラマを観て共感してもらえたらいいね。単なる悲劇的な時代の教訓譚じゃないからね。元気をもらえるし、登場人物たちと一緒に踊りだしたくなるはずさ。主人公たちの姿に夢中になる中で、きっとより深く色々な知識や教訓を学べると思うよ。
ニール・パトリック・ハリス
1973年アメリカで生まれ。16歳のときにテレビシリーズ『天才少年ドギー・ハウザー』で主役を演じ、一躍スターに。舞台でも活躍しており、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」でトニー賞主演男優賞を受賞。映画『ゴーン・ガール』やテレビシリーズ『ママと恋に落ちるまで』での好演でも知られる。

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【字幕版】8/17(火)より配信開始
※8/17(火)より第1話を期間限定無料配信

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【STAR1 字幕版】 9/15(水)より 毎週水曜よる11:00 ほか
※第1話 先行無料放送 【STAR1 字幕版】 9/12(日)よる 8:00

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