ニュース

スターチャンネル

『ウエストワールド シーズン2』メイヴ役 タンディ・ニュートン インタビュー

メイヴ役 タンディ・ニュートン
メイヴ役 タンディ・ニュートン

『ウエストワールド シーズン2』5/24(木)日本独占最速放送スタート!
メイヴを演じるタンディ・ニュートンのインタビューをお届けします!


Q : メイヴはシーズン1で劇的な経緯を辿りましたね。そして視聴者もメイヴと共にその旅路を共有しました。彼女が自分の存在の意味に気づき始めていくエピソードの数々は本当に見事でした。あなたもこのドラマのスケールに感銘を受けていますか?


タンディ・ニュートン(以下:TN):ええ、もちろんよ。これまでに映画の世界で素晴らしい芸術的な世界を見てきたこともとても役に立ったの。そして、このドラマの未来的な世界はプロダクションデザイナーとそのチームがまったく新しい画期的な視点から創り出しているのよ。そしてリサとジョナサンと共に、限られた予算の中でできることはすべてやって、視聴者がこの別の現実世界に没頭できるように力を尽くしているのよ。演者の立場から言うと、私はブルーバック(グリーンスクリーン)よりも実際のセットで芝居をすることが多いと思う。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』にも出演したけど、あれもブルーバックの撮影も多かったけれど、実際の撮影も本当に沢山あったのよ。もう、本当に多かった――というか、もう、そのせいで泥まみれになって大変だったんだから。ねぇ、これってCGIでできないの?と思ったほどよ。でもこのドラマでは、本当に役になり切っていたわ――自分を見失うくらいにね。とても気持ちよく撮影に臨めたの。それはおそらく現場の雰囲気とスタッフとの長い経験の賜物だと思う。彼らのことは心から信頼しているし、愛情を抱いているわ。彼らには何も包み隠さないでいることも多かったし、今までにない感情の機微も表現していたからよ。

Q : メイヴやロボットを演じるうえで、特にチャレンジだったことは何でしょうか?


TN:とても単純な感情に立ち戻らなくてはならなかったわ。複雑な感情が交錯する大人を演じるのとは違っていて、メイヴはどちらかというと子供っぽい性質の持ち主なの。その分、ひとつのひとつの感情がとても強くて、それがダイレクトに画面や視聴者に力強く伝わっていると思う。なにしろとても純粋な存在だからよ。ある意味では、体は21歳でも中身は18か月の幼児という女性を演じた『愛されし者』(未)を思い出したの。メイヴでもそれと同じアイデアに再び出会ったような気がしたわ。シーズン2のメイヴはもっと成長しているのよ。面白いのはみんながメイヴのことを話題にする際に、「彼女がこうした」「彼女がああした」と言うんだけど、実は私は「それ(It)がこうした」「それ(It)がああした」思ってしまうの。だって彼女はロボットですもの。あれもこのドラマの素晴らしさのひとつよ。そう思うことで私は自分自身を守っているのだと思うし、視聴者も残酷な状況を味わうキャラクターたちの姿を見ていられる――さらには愛着を覚えていたり、敬意を抱いたりできるの。彼らがピュアで、汚れていなくて、初めての体験が多いからこそ視聴者は親近感を持てる。そして自分自身が信じているこの親近感があるからキャラクターたちに愛着が湧くの。そこには裏などなくて、見えているものがすべてだと信じられるの。この生まれたてのような真新しい存在たちがあらゆる困難を味わって行くのは本当に辛いわ。もう耐えられないほどね。シーズン2のメイヴにはたくさんの困難が待ち受けているわ。

Q : 撮影に入る前、シーズン2はどんな展開が待ち受けているか想像できましたか?


TN:第1話の脚本を読んだ時、私の予想とはまったく違っていたわ。私は単純にメイヴはパワフルで才気がある人と思っていたの。正直に言うとね、シーズン1を終えて私は心理的な意味でメイヴとは別れを告げたの。その時の私の気持ちは、「ウエストワールド」に戻ることを拒否していたのだと思うわ。本当よ。あの世界で起こっていることやメイヴが直面することに向き合いたくなかったのね。心を閉ざして、そのまま「ライン・オブ・デューティ」『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』『The Life and Death of John F. Donovan』『Gringo』に移ったわ。もうイヤよ、あそこには戻らないから、なんていう気持ちでね。だからシーズン2になって、またあの過酷な現実を思うと腰が重たかったわ。単なるTVドラマ、単なるキャラクターとはいえ、あまりにもパワフルだし、今の社会を反映しているもの。

Q : このドラマ――とりわけメイヴのストーリーラインは、まるで今の#Me Tooの状況を予見したようですね。


TN:ええ、でもこの原作はマイケル・クライトンが1970年代に発表したものよ。それに同じストーリーが何度も映像化されているわ。例えば「シンデレラ」なんて数えきれないほどでしょう?私は女性に対する暴力と20年以上闘っているし、この業界のセクシュアル・ハラスメントやレイプについても20年以上声を上げ続けていたけれど、今まで誰も真剣に受け止める準備ができていなかったのよ。すっかりこの業界の一部みたいになっていて、当たり前のように受け止められていたから。どこでも、どの打ち合わせでも、慣習のようになっていて、誰もが受け入れていたの。ハラスメントを受けること自体はまるで支払わなくてはならない税金のようだったり、暗黙の了解のようだったわ。まるで決まり事のようにね。もう誰もが共犯のような状態だから誰も声を挙げたがらなかった。
一方で、私は声を挙げた。そのことで私のキャリアにも友人関係にも影響が及んだわ。仕事も減った。でも今回のことで自分が勝ったなんて思っていないわ。たくさんの苦痛を味わったし、声を挙げ続ける自分のほうがどこかおかしいのかもしれない、と思うことさえあったから。その後、イヴ・エンスラーと出会って私は活動家(アクティビスト)になったの。そして実際にいろんな意味でハリウッドに背を向けたわ。仕事でハリウッドには行くけれど、実質的にも変化して、助けを必要としている女性たちをサポートする世界中の草の根団体に出向くようになったの。ハリウッドはみんな自分のことだけでとても排他的な世界よ。とても小さな世界の縮図でしかないけれど、私たちに必要な食物、水、オイル、ミネラルといったものを生み出している実世界は今でも続く現代の植民地化政策などで貧窮している。私は20年以上もこうした運動に携わって来ていて、とてもやり甲斐を感じているわ。本当に助けが必要な声なき女性たちと言葉を交わしているの。私は声も富も力もあるのに何もしないでいる人たちと一緒にいるより、そうした人々と過ごしたい。お金持ちのセレブに拒否される時間で100人を助けられるなら後者を選ぶわ。100人でも1000人でもね。コンゴで私がレイプされたなんて信じられないと思っている人と肩を突き合わせて話をしていたいわ。
最近、素晴らしいチャリティ事業と巡り合ったの。常に色んな草の根団体や慈善事業と交流しているのよ。この前は下着を提供する慈善事業を知ったの。アフリカの様々な場所の少女たちに新しい下着を提供するのよ。なぜかというと少女が下着を履いているということは、その子の家にはそれだけの経済的な余裕があることを意味しているからなの。でも下着が買えない家の少女は誰にも構われていないと思われてレイプされてしまう。つまり富(お金)というのがすべての要因なの。それは、上は銀行のトップの女性たちから、下は下着を変えない女の子にまで影響を及ぼすわ。富がフィルターになっているの。私たちはそうやって皆つながっているのよ。

Q : アフリカでのそうした活動を終えて、再び女優というコートを纏ってこのドラマの世界で仕事をするのはつらかったですか?


TN:いいえ、それはないわ。というのも女優というのはあらゆることから知識を得るから。SBSW(サウス・バイ・サウスウエスト)のステージでも言ったけれど――この役、私の場合は何度も何度も殺されたり、残酷な目に遭うメイヴは誰にヒントを得たかという質問を受けたわ。その時に思い起こしたのは酷い性的暴力を受けて破壊されてしまったコンゴで出会った女性たちとの経験だったわ。心身ともに彼女たちは破壊されてしまったの。私はそうした女性たちに刺激を受けてメイヴを演じているわ。そして少しでも私がそうした女性たちの体験を声にするチャンスになれば、と思っている。これは私にとって意味のあることなの。女優をしていてもこんな機会は滅多にないわ。大抵の場合、私が演じるのは男性脚本家が描いた女性なのよ。彼らも女性を描くのにベストを尽くしてくれているけれど、十分ではないの。そんな時は役を降板したり、断らなければならないわ。セクシーすぎたり、女性嫌いだったり、人種差別が見受けられたり――ひいてはそれ自体に気づいていないような場合はね。私はかなりえり好みするタイプよ。その点でこのドラマのメイヴを演じられることはとても素晴らしいことなの。今、この世界で現実として起こっている恐ろしい真実を反映しているキャラクターを演じることができるからよ。

Q:メイヴに共感する点を教えてください。


TN:形はどうあれ自由のために戦っている、理解してもらうために戦っている、自己実現のため、自分の存在とその意味を訴えている女性という点ね。これが私です、と言えるところよ。他人ではなく自分で決断ができて、自分の価値や自分を知っているの。それに自分の望みや自分にとっての公正さが何なのかもね。とてもパワフルだわ。私がとても気に入っていて、さらに嬉しいことは、女性以外、黒人以外の人たちが私の演じるメイヴに共感してくれることなの。男性、年配の人、若い人、それに自分たちへの理解を求めて声を挙げようとしている人たちにもね。ひとりの小柄な黒人女性に共感できるということは、つまりあなた自身が何者なのかを物語ってもいるはずよ――それってとてもすごいことだわ。このドラマのテーマやキャラクターが人種を超越している点は完璧にうなずけるわ。だって人種なんて意味がないの。キャストの顔ぶれやロボットたちの味わってきた経験をみればわかるはずよ。クソみたいな思いを味わうのに肌の色なんて関係ないということ。もし過去に虐げられた経験があるということは、それはクソみたいに大変な思いをしてきた、ということよ。そして女性の方がさらに酷い目に遭っている。それは間違いないわ。

Q:今回の撮影のためにロスに6か月間滞在していたのですか?


TN:そうよ。6カ月間もね。その間、夫のオル・パーカーとも会えなかったわ。彼もシェールやメリルたちと共にクロアチアで『,マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』の撮影をしていたからよ。それに13歳になる次女のニコも、当時は12歳で、ロンドンでティム・バートン監督の『ダンボ』の映画に主演していたの。私自身はロンドンを発つ前まで、パインウッドで『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の撮影をしていたわ。そして撮影が終了した週に、娘が『ダンボ』の撮影に入ったの。だから1週間だけ重なる時があって、パインウッドで一緒にランチをしたわ。それからロスに滞在していた6カ月間は娘には会えなかったの。

Q:それは大変でしたね。


TN:本当に気持ちが沈んだわ。まるでひとり取り残されたように思えるくらいにね。6カ月間、この異様なリンボにいたみたい。家族に会いたくて仕方がなかった。ブッカーというシルバーレイクの小さな町にこもっていたの。本当に辛かった。

Q:ドラマの中でも自分の子供と離れ離れになっている設定でしたから、あなたの辛さは私にも想像できます。


TN:この平行状態(パラレル)は本当にキツかったわ。このドラマはここでも再び私にパラレルをもたらしたの――シーズン1は女性が力をつけていくことだったわ。そして今回のシーズン2は苦悩について多くを物語っているんですもの。当時はそんな共通点は感じなかったけれど、振り返ってみると私の状況を反映しているみたいで本当に奇妙な時間だったわ。もちろん今はテクノロジーも進歩しているし、フェイスタイムもあるけれど、それにある種の奇妙な怖さも感じているの。というのもバーチャルリアリティ(仮想現実)というのは、人と人の間の実際の交流だけでなく、自分たち自身を現実からさらに引き離しているからよ。もし本当にそれでいいと考えているなら、実際の交流や本物の感情をごまかしているはずよ。私は本当の現実を受け入れて自分の気持ちを取り戻すのにとても苦労したわ。若い頃はトラウマや人種差別のせいで長い間、本当の気持ちをごまかし続けて、自分と切り離してきたの。ある種、それが自分を守るための手段だったのだと思うわ。でも一度悪夢から抜け出して、自分を取り戻すと、愛する家族と離れることが本当に辛くなるのよ。

Q:次回もまた今回のように家族と離れることになるのでしょうか?


TN:ドラマは毎年撮影するわ。でも、その頃には子供たちも成長しているし……。それに今回は新しいこともあったのよ。ニコが映画に出演して演技をするなんて想像もしていなかったの。でも娘はティム・バートン監督の作品の大ファンだった――私たち全員がね。だから今回は家族全員が、これは人生に一度しかない幸運だという気持ちだったわ――これが女優への第1歩というのではなくてね。とてつもなく素晴らしい人生経験になるという思いだったし、ニコは最高に楽しんだようよ。

スペシャルサイトも公開中!


その他のインタビューはこちら
インターネットでスターチャンネルが見れる!カンタン加入!
インターネットでスターチャンネルが見れる!カンタン加入!