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『チェルノブイリ』公式インタビューNo.1 ヨハン・レンク(監督)

『チェルノブイリ』ヨハン・レンク
『チェルノブイリ』ヨハン・レンク
Q:あなたにとってこのストーリーとは?
JR:人間の犠牲だよ。当時、ソビエト連邦周辺では除染作業に従事した人を含め70万人もの人々が被害を受けたし、誰もが知るようにあれは世界のどこにも類を見ない出来事だった。当時、西欧地方で似たような事故が起こったけれど――その時は周辺地域を封鎖して立ち入り禁止にしただけだったしね。ウクライナで清掃作業員をしていた人たちと会ったことがあるんだけれど、彼らの中にはある種の使命感のようなものがあったね。こんな仕事を課された時に、これはやらなければならないと覚悟する決意のようなものだね。自らの危険を顧みずに行動する人々の姿に、僕らは覚悟を決めた時の人間の奥深さを思い知るものなんだ。

Q:初めて脚本を読んだ時、あなたが最も恐ろしいと思った真実は何でしたか?
JR:かなりの期間に渡ってチェルノブイリ原子力発電所が1時間当たり広島に投下された原爆の2倍の放射線を放出していたという事実を知っている人は多くないと思う。イギリスとスウェーデンでさえ、パニックを回避するためにこの大惨事の範囲を隠そうとしていたほどなんだ。

Q:かなり大規模で複雑な撮影となりましたが、ストーリーラインをどう演出しようと考えでしたか?
JR:セリフが104箇所もあったんだ。そんな映画やテレビドラマは僕の知っている限りお目にかかったことがない。撮影期間も100日以上に及んだ。本物の原子力発電所を含む恐ろしい場所で昼も夜も長い時間を費やしたよ。実際に起こった出来事を忠実に再現したかったからね。辛かったよ。

Q:本物の原子力発電所での撮影はいかがでしたか?
JR:イグナリア原子力発電所はチェルノブイリと同型のRBMK原子炉を用いていた原子力発電所なんだ。つまりチェルノブイリと同様の不具合を抱えていたことになる。歴史を感じる原発だよ。何度も足を運んだけれど、いつもあそこはクトゥルフの墓のように感じていたね。窓のない大きなコンクリート製の構造物でとても寒々としているのに原発だと分かっているせいか、どこか感傷を覚える奇妙さもある。誰も寄せつけないような雰囲気があるんだよ。

Q:衣装や医学的な面も痛ましいほどリアルでした――あなたにとってこれは重要なことでしたか?
JR:信憑性の問題さ。メイクの中には身の毛もよだつような、見るのも恐ろしいものもあったよ。バランスが大事だったから、感傷的もしくは推測的なものにならないよう配慮したんだ。実在する資料をベースにしてかなりの量のリサーチを行った。そして最終的には当時現場にて、この撮影現場で、「そう、まさにそんな感じだった」と言ってくれる人が必要になったよ。

Q:これは歴史作品だと思いますか? それとも現在の世界へのメッセージを含んだ作品だとお考えですか?
JR:間違いなく両方だよ。そこがこの脚本に魅かれたポイントでもあるんだ。このような事態が発生した場合の全体主義国家の対応という点からいえば、今でいうところの代替的な真実やフェイクニュースといった時代思潮を映し出したといえるね。でもそれ以外にも、僕ら人類、そして僕らと地球との関係、さらには本来ならば手に負えないはずのものに手を出している人類に対して重要な意味を含んだ不変の詩でもあると思っているよ。
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