史上初! 生誕90年 スティーヴ・マックイーン完全網羅

4ヵ月連続 大型企画 【STAR2 字幕版】3/14(土)より 毎週土曜よる9:00 ほか

“キング・オブ・クール”と呼ばれたスティーヴ・マックイーンの代表作から日本初放送となる貴重なエキストラ時代の出演作まで!
全映画28作品を史上初のコンプリート放送。
あわせて、名作TVシリーズ、ドキュメンタリー、オリジナル特番もお届け。
これを観ればマックイーンの全てがわかる!

放送ラインナップ

マックイーン作品を完全網羅!

【STAR2 字幕版】毎週土曜よる9:00 ほか

今月の放送作品はこちら

2020年3月 高の男】

2020年4月 西部劇】

2020年5月 24時間ベスト・オブ・マックイーン】

2020年5月 ャリア初期・貴重な作品】

  • 5月2日(土)

    ガール・オン・ザ・ラン

    TV初放送のマックイーンの貴重な映画初出演作。遊園地のカップル客としてのエキストラ出演ながら細やかな演技をみせる。

  • 5月2日(土)

    傷だらけの栄光

    ミドル級世界選手権保持者ロッキー・グラジアノの伝記映画。マックイーンはチンピラ役でエキストラ出演。終生のライバルとなる主演ポール・ニューマンとの初顔合わせ作。

  • 5月9日(土)

    ニューヨークの顔役

    ギャングとなったユダヤ人青年の葛藤の人生を描く。マックイーンは主人公の旧友で心ならずも彼を追い詰める正義感溢れる検事役。

  • 5月16日(土)

    戦雲

    第2次世界大戦中のビルマで活躍したゲリラ部隊を描いた戦争アクションドラマ。映画スター・マックイーンの生みの親ともいうべきJ・スタージス監督との出会いの作品。

  • 5月23日(土)

    セントルイス銀行強盗

    実際にあった銀行強盗の顛末を描いた犯罪アクション映画。マックイーンは銀行強盗の運転手役を引き受ける若者を演じる。

  • 5月30日(土)

    ガールハント

    潜水艦乗組員の大尉がミサイル用の電算機を使ってギャンブルの大当り狙いで賭けに出る、マックイーンの軽妙な演技が魅力のコメディ。

2020年6月 の顔】

  • 6月6日(土)

    雨の中の兵隊

    結婚や妊娠、人種問題など現代社会にも通じるテーマをユーモラスに描いた、マックイーン×ナタリー・ウッド共演のラブ・ロマンス。

  • 6月6日(土)

    マンハッタン物語

    一夜の恋で妊娠した女性を巡る男女の微妙な仲を描いた、マックイーン×ナタリー・ウッドによるラブコメディ。

  • 6月13日(土)

    民衆の敵

    マックイーンが製作総指揮をとり、「人形の家」で知られる劇作家イプセンの戯曲を映画化。長髪に髭にメガネという新たな一面をみせた意欲作。

  • 6月13日(土)

    ハイウェイ

    歌手を夢見て家族の為に再起を図りながらも悪循環に陥いる男の悲劇をマックイーンが内省的に演じたメロドラマ。

  • 6月20日(土)

    華麗なる週末

    少年と使用人のドライブ旅行をコミカルに描く。牧場のイキの良い青年役のマックイーンのとぼけた演技も見どころ。

  • 6月20日(土)

    突撃隊

    第二次大戦末、アメリカ軍小隊兵士たちの決死の攻防を描いた戦争アクション。マックイーンの悲壮観漂うラストの演技は見ごたえ充分。

  • 6月27日(土)

    戦う翼

    空軍基地を舞台に破天荒な機長と良識派の副操縦士の対立を描く。マックイーンが、強欲で破天荒な機長役を熱演。

スペシャルコラム

誰かが作品を観続ける限り、スティーヴ・マックイーンは死なない

“スティーヴ・マックイーンのように、わたしに必要なのは速いマシーンなの” と、シェリル・クロウは歌った。ミュージックビデオでは、彼女がオープンカーやモトクロスのバイクを飛ばし、さらには『ブリット』(68)に登場したフォード・マスタングが坂道でカーチェイスを展開する。グラミー賞で最優秀女性ロック・ヴァーカル・パフォーマンスに輝いたこの楽曲のタイトルは、まさに「Steve McQueen」なのだ。

車やバイクといったモチーフは、『ハンター』(80)や『ブリット』、『華麗なる賭け』(68)や『大脱走』(63)など、マックイーン主演作に欠かせない(トレードマークのような)アイテム。また、ファッションにおける自然な着こなしにおいても、マックイーンは革新的で高いセンスを誇り、ファッショニスタとしても憧れの的。男性はもちろん、シェリルのような女性もが魅力される由縁は、それが唯一無二の個性になっているからでもある。

しかし、俳優としてのスティーヴ・マックイーンは意外にも不遇だった。ドラマ「拳銃無宿」の主演を経て『荒野の七人』(60)でスター俳優の仲間入りをした時には、既に30歳。本格的なデビュー作である『傷だらけの栄光』(56)では、オーディションでポール・ニューマンに主役の座を渡し、マックイーンは端役に甘んじた。『タワーリング・インフェルノ』(74)でニューマンと共演した時、マックイーンがクレジットの順番に拘った理由には、そんな過去の因縁にも起因する。生後間もなく両親が離婚するなど、決して順風満帆な人生ではなかった彼の<影>なる部分は、役作りだけでは生み出せない、実生活に裏付けされた寂寞感を漂わせる由縁にもなっていた。

1962年生まれのシェリル・クロウは、リアルタイムにマックイーンの作品を観てきた世代とは若干のタイムラグがある。筆者もまた、映画館で初めて観たマックイーンの映画が遺作である『ハンター』だったことから、リアルタイムに観てきた世代ではない。しかし、マックイーンの魅力は世代を越えるのだ。それは、なぜなのか? 理由のひとつには、彼が1930年に生まれ、早逝したという点を挙げられるだろう。50歳でこの世を去ったことで、マックイーンの残像はいつまでも50歳までの姿でいるからだ。意外に思えるかもしれないが、マックイーンと同じ<アクターズ・スタジオ>で演技を学んだジェームズ・ディーンは、マックイーンよりも一歳年下の1931年生まれ。彼もまた早逝したことで、永遠の残像を映画ファンに与え続けている。

「拳銃無宿」と同時期に人気を博したテレビの西部劇ドラマに「ローハイド」がある。このドラマで人気を得て、イタリア製西部劇『荒野の用心棒』(64)でスターとなったのが、クリント・イーストウッド。実は、イーストウッドもマックイーンと同じ1930年生まれなのだ。今年90歳を迎えるイーストウッドは、今なお現役の映画監督であり、『運び屋』(19)では俳優業に復帰したことでも記憶に新しい。不遇な時代を経て、どちらかと言えば“遅咲きのスター”であるマックイーンとイーストウッドには、近似したキャリアを指摘できるが、イーストウッドが生ける伝説であるとすれば、マックイーンは早逝したことで、ハリウッドの伝説的なアイコンとなった感がある。

今なおスティーヴ・マックイーンが映画ファンを魅了し続けるのは、映画の中の姿がこれ以上変わることがないからだ。それは、人生の早い時期にキャリアの幕を下ろしてしまったマックイーンにとって不幸なことだが、同時にファンの記憶に残り続けるという点では幸せなことでもあるかも知れない。人は二度死ぬと言われている。それは、肉体的な終わりを迎える<死>と、人々の記憶から消えてしまう<死>だ。そういう意味で、スティーヴ・マックイーンは死なない。我々が作品を観続ける限り、スクリーンの中で永遠に生き続けるからだ。

(映画評論家・松崎健夫)

『スティーヴ・マックイーン完全網羅』
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