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COLUMN

キングイヤーの締めくくりは、この1本で!!
キング節炸裂のハードボイルドミステリー『ミスター・メルセデス3』

2019年を振り返ってみると、スティーヴン・キングイヤーだったといっても過言ではない。『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の続編である『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』が公開。そして、『シャイニング』の続編『ドクター・スリープ』が公開され、旧作を知る世代のみならず、若者の心をも掴み、新たな歴史を刻んだ。そんなキングイヤーの締めくくりとして、そして、新年の“キング初め”として観てほしい作品が、大人気ミステリードラマ第3弾『ミスター・メルセデス3』だ。

“モダンホラーの帝王”という異名をもつキングの“初のミステリー”小説として発表された「ミスター・メルセデス」。米ミステリー界最高の名誉といわれるエドガー賞最優秀長編賞を受賞した本作は3部作になっており、引退した刑事ホッジスと凶悪犯ブレイディの攻防戦を軸に、複数の事件の犯罪捜査を描く。
早朝、就職フェアに並ぶ人々の列に、一台の高級車が猛スピードで突っ込んだ。この残忍な事件を起こした男ブレイディは、巷で“メルセデス・キラー”と呼ばれ、恐れられるようになる。突然凶悪犯から挑戦状を叩きつけられたホッジスは、長い刑事人生で得た経験を活かし、犯人を突き止めるべく動き出す。

シーズン1は原作の第1部、シーズン2は第3部がベースとなっており、『ミスター・メルセデス3』は原作の第2部を映像化。ブレイディの事件をきっかけに本格的に探偵としての活動を始めることにしたホッジスは、仲間のホリーとジェロームと共に、探偵社 “ファインダーズ・キーパーズ”を立ち上げる。
ある日、人目を避けるように山奥で暮らしていた大物小説家ロススティーンの強盗殺害事件が発生。ホッジスはロススティーンの代表作「ジミー・ゴールド」シリーズを愛していたがゆえに悲しみに暮れるが、真相を自らの手で明らかにしようと決意する。
ミステリーは犯人を明らかにすることをゴールとするものが多いが、本作は違う。事件発生の時点で観客は犯人の姿を見せられるのだ。つまり観客は犯人を知った上で、ホッジスたちの捜査を追っていく。本作のゴールをあえてあげるならば、点と点がどのように繋がるのか、その過程を味わうことと言えるだろう。調査が進めば進むほどいくつもの出来事が絡み合い、予測不能の展開に。これこそ、キングの醍醐味!と思わず唸るにちがいない。
さらに小説愛に溢れている点もみどころのひとつ。キングファンであればロススティーンとキングを重ね合わせて観てしまうのは言わずもがな。ホッジスが語るロススティーンへの愛は、小説を愛する者の声を代弁しているかのようだ。

メインキャストはブレンダン・グリーソンやジャスティン・ルーペなどが続投。新キャストには『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のケイト・マルグルーや、HBO FILMS®『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』に出演していたガブリエル・エバート、オーストラリア出身の若手俳優ラーミアン・ニュートンなどが名を連ねる。『ビッグ・リトル・ライズ』の功績が記憶に新しいデヴィッド・E・ケリーが今回も製作に参加していることからも、クオリティは間違いないといえるだろう。
今後も長編、短編問わず映像化の計画がみっちり待機しているスティーヴン・キング。2019年から2020年にかけて放送される本作でキング納めとキング初めをして、ビッグイヤーを迎えてほしい。

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