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COLUMN

HBO®×アジアエンタメ界の最高峰集結で贈るホラーアンソロジー『フォークロア』
齊藤工 世界監督デビュー作「TATAMI」はモダンJホラーの代表作だ!

『ゲーム・オブ・スローンズ』『チェルノブイリ』『キング・オブ・メディア』など、第71回エミー賞で主要部門を独占し、大きな話題を呼んだHBO®が、アジアで展開するHBO®アジアからホラーアンソロジー『フォークロア』が日本上陸。スターチャンネルで独占日本初放送する。
「Folk=伝承」をテーマに、6つの国に言い伝えられる奇妙な物語が語られる本作。製作総指揮として国をまたぐ一大プロジェクトの指揮を執ったのは、シンガポールの巨匠エリック・クー。最近では齊藤工と松田聖子出演の映画『家族のレシピ』の監督を務めていたことも記憶に新しい。
そのエリック・クー監督が惚れ込んだ才能溢れるクリエイターたちが、それぞれの母国を舞台にホラーを製作。第1話「母の愛」はインドネシア、第2話「TATAMI」は日本、第3話「名もなき者」はシンガポール、第4話「POB」はタイ、第5話「トヨール」はマレーシア、第6話「モンダル」は韓国を舞台にしている。

本作の魅力はなんといっても各国を代表する監督と俳優によって、その国の価値観を垣間見ることができること。アジアとひとくくりに言っても、言語も異なれば、文化も大きく異なる。世界はもちろん、アジア諸国同士でも互いに知らないことが多いが、その個性を最大限に発揮しつつ、ひとつの大陸“アジア”としての魅力を世界に発信。こうした挑戦的な試みが実現できるのもHBO®らしい。
日本代表として第2話「TATAMI」を手掛けたのは、齊藤工。長編デビュー作となる2018年公開の映画『blank13』を観たHBO®のプロデューサーに見いだされ、抜擢された。
「日本人は、いにしえから畳の上で飯を食らい、眠りについてきた。そこで暮らす人の「情」や「念」も畳とともにあり、それらは長い時間のうちに畳に染み込んでいく。もちろん恨みも例外ではない。」という言葉とともに幕をあける物語。

剥き出しの壁、ずたずたの畳、破けた障子から、かすかな光が差し込む陰湿な部屋を撮るのは記者の岸真(キシ マコト)。部屋中に引き裂かれた畳で作られた不気味な人形がぶら下がり、鬱蒼とした雰囲気が漂うこの部屋は、とある一家惨殺事件の現場だった。
週刊誌へ寄稿するため泊まり込みで取材を行っていた真だったが、翌朝、「父が亡くなった」と母から連絡が入り、葬儀のため帰郷することに。少年時代を過ごした家には、父との苦い思い出が蘇る部屋が残っていた。家族の過去と恐ろしい秘密が隠され、久しく開かずの扉になっていた部屋に足を踏み入れる真。その背後で静かに扉がしまる…。
北村一輝演じる記者の岸真は聴覚障害があり、話すことができない。こうした設定もあって冒頭からほぼセリフなしで進んでいく。しかしこれこそジャパニーズホラーの魅力。言葉なくとも恐怖を感じさせる“何か”は、観ている者にも感じ取ることができる。それぞれに母国語をもつアジアをはじめ、世界中に発信されるということを考えても言葉ではなく演技で伝える演出は、非常に効果的だろう。
北村一輝が言葉なしでみせる恐怖の演技もさることながら、『blank13』ですでに齊藤作品に出演していた神野三鈴がみせる母の演技が見事。喪服として着物を纏い、白髪交じりの髪を結い、喪失感を漂わせながらも、目に宿るのは狂気に満ちた確かな決意。日本が誇る俳優陣が静かに恐怖を見せる本作は、モダンJホラーの代表作と言っても過言ではない。

来年には監督・脚本を務めた『COMPLY+-ANCE』の公開も控えており、今後ますます活躍に期待したい“監督・齊藤工”の初ホラーにして、世界監督デビュー作となった「TATAMI」を含む『フォークロア』を、いち早く堪能してほしい。
また、アジアに拠点を置き、世界で活躍する一流クリエイターたちによるアンソロジーは、早くも第2弾が進行中。『フードロア』というタイトルで「食」をテーマに製作されており、来年放送予定。とどまることを知らないHBO®アジアの勢いに注目してほしい。

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