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COLUMN

私利私欲にまみれた郎党一族再び。
エミー賞受賞『キング・オブ・メディア』シーズン1&2一挙放送

『ゲーム・オブ・スローンズ 最終章』が、ドラマ部門作品賞を含む最多12冠を達成したことが大きな話題となった第71回エミー賞。作品賞の受賞こそ逃したが、同じドラマ部門で脚本賞含む2部門を受賞したドラマがある。メディア王の後継者問題を描いた『キング・オブ・メディア』だ。
昨年日本上陸を果たすやいなや、コアなファンを中心に注目を集めた話題作のシーズン2が、この度日本上陸。じわじわと人気を集めている本作の見どころを紹介しよう。

本作で描かれるのは、世界屈指のメディア複合企業ウェイスター=ロイコ社の創設者ローガン・ロイとその富豪一族。一代で、世界経済にも大きな影響力をもつ企業を築き上げたローガンは、80歳の誕生日を控え、後継者について考えるようになっていた。
静かな生活を望み農園を経営中の長男コナー。過去の薬物問題で信頼ゼロの次男ケンダル。政界で手腕を発揮することにやりがいを見出した長女シヴ。権力と地位を思いのままに、やりたい放題の三男ローマン。後継者候補は全員難あり。
これを見かねて会社に残ると意思表明したローガンだが、突然倒れ病院に搬送されてしまう。この悲劇を皮切りに株価の大暴落、知られざる負債など、次から次へと新たな問題がロイ家に降りかかり、事態の収拾に奔走すればするほど新たな悲劇に見舞われていく。

追い打ちをかけるのは家族間の不和。3度の結婚歴をもつローガンの子供たちは、血のつながりも複雑。現在の妻マーシィと子供たちの間に信頼関係はなく、特にシヴとの関係は最悪。マーシィを家族信託に入れたいローガンだが、これが新たな亀裂を生むことに…。
それぞれの思惑が最悪な形で表れることになったシヴの結婚式で幕を降ろしたシーズン1。シーズン2は、最悪の事態を巻き起こした一人であるケンダルがスパで療養しているシーンから幕を開ける。そこに跡継ぎ筆頭候補の面影はなく、すっかり憔悴しきった様子で父の言いなりと化していた。
こうした一大騒動に勢いづいた父ローガンは完全復帰。時代錯誤も甚だしい“パワハラ”で、暴言を吐き散らし、権力を振りかざしていた。しかし技術革新の影響が容赦なくローガンを窮地に追い込む。右肩下がりの新聞の購読者数、TVの視聴者数…。旧来のメディア企業そのものの存続が危うくなってきていた。ローガンは売却案も含め、自身の人生の結晶ともいえるウェイスター=ロイコ社の未来を模索するのだった。
何一つ問題が解決しない中で、さらなる問題が起こっていく泥沼のドラマを、生々しく、ブラックユーモアと共に描き出すのは、強者だらけの個性派キャスト。ベテラン俳優ブライアン・コックスを筆頭に、ジェレミー・ストロング、ハイアム・アッバス、キーラン・カルキンといった実力派俳優が集結。

シーズン2には新たにホリー・ハンターが参加。『ピアノ・レッスン』でアカデミー主演女優賞を受賞した彼女が演じるのは、ライバル企業のCEOという役どころ。ブライアンとの演技合戦に注目したい。
アカデミー脚色賞にノミネート歴のあるジェシー・アームストロングが製作総指揮を務め、シニカルなコメディを得意とするスタッフが集結して手掛けた本作。実在のメディア王ルパート・マードック(20世紀フォックス)や、サムナー・レッドストーン(CBSコーポレーション)を彷彿とさせることからビジネスパーソンからの注目度も高い。痛烈に描かれた華麗なる一族の、一癖も二癖もある人生を覗いてみては?

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