STAR CHANNEL × HBO

COLUMN

求めるのは生きている実感、自分の存在意義
若者の生きづらさを抜群のセンスで描くセンセーショナルなHBO®ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』

もはや海外ドラマ好きには説明の必要がないほど、日本での知名度も上昇してきた米プレミアムケーブル局HBO®。世界中で社会現象を巻き起こした『ゲーム・オブ・スローンズ』が最終章を迎え、看板作がなくなるかと思いきや、衝撃作『チェルノブイリ』を世に放つなど、勢いが失速することはない。そのHBO®作品をいち早く独占日本初放送でお届けしているスターチャンネル。次なる新作は、海外ドラマファンのみならず、音楽ファンからも注目を集めている『ユーフォリア/EUPHORIA』だ。

ディズニーチャンネル出身の大人気女優ゼンデイヤ主演、グラミー賞受賞の世界NO.1ラッパー ドレイク製作総指揮、そして名匠バリー・レヴィンソンの息子サム・レヴィンソンが自身の薬物中毒の体験に基づき脚本・監督・製作総指揮を担当した。さらに『ムーンライト』や『ルーム』など近年のアカデミー賞を賑わすアカデミー賞常連の新鋭スタジオA24も製作に参加し見どころは尽きない。女性誌メディアでは作中に登場するキャラクターの複雑な心の内を表現したメイクも取り上げられ、各方面で話題を呼んでいる。
2012年にイスラエルで放送された同名ミニシリーズのリメイクとなる本作で描かれるのは、デジタル・ネイティブ世代の若者が抱える苦悩。
2001年9月14日、世界同時多発テロの3日後に生まれたルー(ゼンデイヤ)。13歳の時に最愛の父の病気が発覚し、働く母に代わって学校帰りに看病をしていた彼女は、この時初めて父が服用していた鎮痛薬に手を付ける。父の死後、ドラッグ中毒は深刻化し、過剰摂取で病院に搬送される。高校2年になる前のひと夏を、リハビリ施設で過ごすものの、ドラッグから足を洗えずにいたルー。しかし転校生ジュールズが現れたことで、ルーの日常が動き始める。

第1話、海外ドラマでよくある“豪華な家に住む友人が両親不在中に開催するパーティー”で、主要キャラクターが登場する。はみ出し者のルーとドラッグバイヤーのフェズコ。両親の離婚を機に、郊外に移り住んできたジュールズとクラスメイトのキャット。イケてる女子グループ(もちろんチアリーダー)のキャシーとマディ、イケてる男子グループ(もちろんアメフト部)のクリスとネイト。第2話以降は1話毎に1人のキャラクターにフォーカスして、それぞれが抱える様々な悩みが語られていく。
幼い頃に父の寝室で見つけたポルノの影響で恋人に暴力的な態度をとってしまうネイトや、学校ではぽっちゃりキャラで相手にされないが、SNSではフォロワー5万人越えのファン・フィクション作家のキャットを通してつくづく感じるのは、誰もが二面性を持つ時代なのだということ。
羨望のまなざしを得るために理想的な憧れで固められたネットの顔と、自分には何もないような虚無感に悩む実世界の顔。自分が立っている世界とちっぽけなスマートフォンという四角い世界の二つの世界を手にしたデジタル・ネイティブ世代は、その生き方について答えのない問いに、誰もがもがき苦しんでいる。
いまだかつて誰も直面したことがない問題に、答えを導き出さなければならない最初の世代。なりたい自分になれる場所だったはずが、いつしかならなければならないと自分を追い詰め、自信を失う場所へと変わっていく。そんな社会を生きる若者を描く『ユーフォリア/EUPHORIA』は、若者たちが助けを求める叫びのようだ。

キャスティングは、俳優としての実績よりも、キャラクターとの親和性を重視。自身の人生をそのまま投影できるような人物が抜擢された。トランスモデルとして活躍するハンター・シェイファーや、ボディ・ポジティビストのハービー・フェレイラなど。
さらに海外ドラマファンとしては『グレイズ・アナトミー』のエリック・デインが出演している点も見逃せないだろう。同作で“フェロモン男(マックスティーミー)”という愛称がつくほど色気を放っていたエリックだが、本作でもその色男のイメージを巧みに活かした役どころを演じている。完璧すぎる登場の瞬間に、唸ること間違いなし。
映像や音楽など芸術性が高くアーティスティックでありながら、容赦なく現実を突き付ける現代人必見の『ユーフォリア/EUPHORIA』。独占日本初放送のこの機会にぜひ。

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