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COLUMN

エミー賞作品賞受賞。アメリカTVドラマ史上最高評価を獲得した超話題作『チェルノブイリ』。
全人類必見のドラマを見逃すな!!

とにかくこれは歴史的な作品だ。旧ソ連で1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の一部始終を、全5話のミニシリーズとして描いたHBO®製作のドラマ『チェルノブイリ』。アメリカのレビューサイトIMDbとRotten Tomatoにおいて、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ブレイキング・バッド』を超える、TVドラマ史上最高評価を獲得。
TVドラマ界のアカデミー賞と呼ばれるエミー賞では、リミテッドシリーズ部門において作品賞・監督賞・脚本賞に加え、メインキャストの3人がそれぞれ主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞にノミネートされるなど、全体で計19部門ノミネートという快挙を果たし、作品賞・監督賞・脚本賞など主要部門を含む、計10部門を制した。
日本時間23日(月)に行われた授賞式で檀上にあがったクリエイターのクレイグ・メイジンは、撮影許可を与えてくれたリトアニアとウクライナに感謝の意を伝えつつ、「ささやかながら、この作品が真実の価値を人々に思い出させるきっかけになることを願っている」と述べた。

『チェルノブイリ』は3人の人物を中心に物語が展開されてゆく。主人公的存在はソ連の科学者ヴァレリー・レガソフ博士。原発事故調査委員会の責任者に任命され、事故の日からちょうど二年後に重要な証言をカセットテープに残して自ら命をたった人物だ。
ドラマ前半部、事故の初期対応時のレガソフは、原発事故と放射能汚染の恐ろしさを“正しく”理解し、警鐘を鳴らす科学者として描かれる。しかし彼自身も“正しい科学者”を見殺しにして出世してきた科学者であり、嘘で塗り固められた国家の腐敗構造の一端を担っていた。
後半部では、科学者として生きていくための政治に葛藤する姿が絶望的に描かれる。そんなレガソフ博士を演じるのは、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』でのモリアーティ教授や、『マッドメン』などで知られるイギリス人俳優ジャレッド・ハリス。抑制の効いた名演技が光る。

そんなレガソフ博士を従え、チェルノブイリで事故処理の陣頭指揮を執ったのが、ソビエト連邦の最高意思決定機関である閣僚会議の副議長ボリス・シチェルビナだ。長年にわたり石油・天然ガス産業大臣を務めたシチェルビナは、化石燃料畑一筋の人間であり、原子力は素人同然。つまり“世界一”を謳っていたソ連の原子力政治に傷がつかないように選ばれた“捨て駒”であった。そんな自身の立場をよく理解しながら、シチェルビナはレガソフと共に人類史上最悪の大惨事に当たる。文字通り、命を懸けて。
演じるのはスウェーデンの名優ステラン・スカルスガルド。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや、『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』などの超大作でもお馴染みの名バイプレーヤーだ。近年ではスカルスガルド兄弟の父親としても有名。貫禄の名演技である。

三人目のキーパーソンは、核物理学者のウラナ・ホミュック。架空人物である彼女は、チェルノブイリから遠く離れた研究所で異変に気付き(事故発生時はソビエト政府によって事故そのものが隠されていた)、現場に駆け付け、モスクワに搬送された重症患者へ事実確認のインタビューを行った。真実を追い続けた彼女の姿には、事故当時、命を懸けて行動を起こした科学者たちの姿が投影されている。演じるのは『奇跡の海』で世界に衝撃を与えた女優エミリー・ワトソン。
そして最後に、本作で注目すべき人物をもうひとり。悪夢のような事故と重厚な人間ドラマを印象的な音楽で支えた、アイスランドの音楽家ヒドゥル・グドナドッティルだ。『レヴェナント:蘇えりし者』『メッセージ』などの映画音楽にチェリストとして参加した彼女は、本作と並行してあの話題作『ジョーカー』でも音楽を担当。今後ブレイク必至であろう彼女の音楽にも注目だ。
あの時いったい何が起きていたのか? 人類が経験したことのない史上最悪の事故の真相をその目で確かめてほしい。

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