吹替キャスト・インタビュー
パトリック・メルローズ役 三上哲
三上哲:繊細でありながらも振り幅が大きく、奥の深いとても魅力的な役者だと思います。今回のような堕落した人間を演じても知性や品格、そしてチャーミングさがあり、高慢でありながらも弱さや脆さを表現するのがうまく、こちらが感情移入して手を差し伸べたくなってしまいます。それにしても、彼はやはりコートやマントがよく似合うなぁ(笑)。
-実際に吹替をされての感想をお願いします。特に難しかった点や楽しかった場面などもあれば教えてください。
三上哲:1話では薬でぶっ飛んだシーンが多く心の声と会話する等、セリフ量も膨大で大変でした。 実際に収録は皆さんが入る前に心の声等を先に収録して臨みましたが、それでも通常の収録よりも時間が掛かるくらいセリフ量が膨大でした。60分物のドラマなのに…(笑)。 吹替に関しては、最初はコロコロと移り変わる彼の心情や表現に付いていくのがやっとで楽しむ余裕はありませんでしたが、家でチェックを重ねて、現場でうまく彼の心情に寄り添えたかな、と思ったときは、ちょっとした快感でした。
-カンバーバッチ自身が原作のファンで主演を熱望し、製作総指揮にも入っていますが、この主人公「パトリック・メルローズ」の魅力はどんな点にあると思われますか。
三上哲:堕落した生活からなんとか立ち直ろうとするも幼い時のトラウマから逃れられず、葛藤し続けるパトリック。 ベネさんの演技もあり、時にコミカルに時に切なく、彼の心情の揺れ動きがこちらにヒシヒシと伝わってきます。 そういったところが、パトリックの魅力になっていると思います。
-最後に、作品の見どころについて、視聴者に一言メッセージをお願いします。
三上哲:ベネさんがこの作品をやりたいと熱望したのも納得の濃密な作品だと思います。 重苦しく切ない空気が漂うなか、上流社会を皮肉ったり、登場人物も個性的でクセ者揃いだったり、ウィットに富んだ不思議なテイストの魅力的な作品です。 そして彼の渾身の演技が詰まっています。 また、吹替の声優陣もなかなかない豪華なメンバーなので、そこにも注目してください。