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『インダストリー』放送記念「私/僕の社会人1年目」シリーズ
新卒1年目の5人がロンドンの大手投資銀行で切磋琢磨するドラマ『インダストリー』の放送を記念して、3名のゲストの方に”社会人1年目の思い出”を語っていただきました。
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<出演者>
澤円




(株)圓窓 代表取締役。
元日本マイクロソフト業務執行役員。
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトへ。ITコンサルタントやプリセールスエンジニアとしてキャリアを積んだのち、2006年にマネジメントに職掌転換。幅広いテクノロジー領域の啓蒙活動を行うのと並行して、サイバー犯罪対応チームの日本サテライト責任者を兼任。2020年8月末に退社。2019年10月10日より、(株)圓窓 代表取締役就任。
現在は、数多くの企業の顧問やアドバイザを兼任し、テクノロジー啓蒙や人材育成に注力している。美容業界やファッション業界の第一人者たちとのコラボも、業界を超えて積極的に行っている。テレビ・ラジオ等の出演多数。Voicyパーソナリティ。琉球大学客員教授。
村田あつみ(あんみつ)




1991年9月3日生まれ
株式会社ラブグラフ Co-founder & CCO
同志社大学 社会学部社会学科 卒
株式会社ラブグラフ共同創業者CCO。1991年生まれ。同志社大学在学中からWebデザイナーとして活動。新卒で入社したリクルートホールディングスを3カ月で退職し、現在は大学在学中に立ち上げたフォト撮影サービスを運営する株式会社ラブグラフのCCOを務める。経営戦略、ブランディング、デザイン開発、マーケティングに至るまでマルチにこなす女性Webクリエイター。
Lovegraph:https://lovegraph.me/
株式会社ラブグラフ:https://corporate.lovegraph.me/
りょかち




1992年生まれ。学生時代より各種ウェブメディアで執筆。新卒でIT企業に入社し、アプリやWEBサービスの企画開発に従事。現在では、若者やインターネット文化について幅広く執筆する。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。その他、朝日新聞、幻冬舎、宣伝会議(アドタイ)などで連載。
■澤円編 podcast文字起こし
僕の社会人1年目って1993年ですからね。もしかしたらお聞きになられているあなたはこの世にまだ存在していないという場合もちょっとあるんじゃないかなと思います。まあそれも踏まえましてお話をしていこうかなと思うんですけど、僕は立教大学というところを出まして、経済学部だったんですけどそこを卒業しまして、何を血迷ったかですね、ある生命保険会社のIT子会社にプログラマーとして入社をしたんです。経済学部を出てプログラマーになるっていうのは相当異常事態といっても良かったんじゃなかいかなと思います。少なくとも僕の周りにはそういうキャリアを選んだ人間は全然いなかったですね、僕だけ。なんでそんなのなるのって、友人には散々言われたんですけども、なんか予感がしてたって事かなと思います。ちなみに1993年ですからね。これはある程度年齢がいっている方だったらわかると思うのですけど、インターネットの前の時代です。つまり皆がインターネットに接続する前の時代なので、もっと言うとパソコンが1人1台ない時代なんですね。そんな時代にプログラマーになろうと思っちゃったんです。理由としては、なんか就社っていうのが嫌だったんです。就職活動って言いますけれども、就社活動ですからね。どこの会社に入るかっていうのを選ぶっていうのが就職活動ですけれども、なんかこの会社に入ってその会社だけでキャリアを終えるっていうのは自分の生き方にちょっと合わないなって、なんとなく思ったんです。実際には内定式にも出たし拘束日なんていうのも当時あったんですけれども、そういったものにも出たし、この会社に入るのかなと思った会社があったんですが、年末に内定を辞退して就職活動をやり直したんです。1月から就職活動し直して、どうにかこうにか滑り込んだという感じなんですが、その時にはがきが来ていて「文系SE募集」っていうそういう募集要項だったんですね。はがき一枚です。当時はもの凄い分厚い会社案内なんかががんがん来て、僕の所にも段ボール3箱ぶんくらい来て、その中から就社する会社を選ぶという感じだったんですが、最後ははがき1枚送ってきた会社に入ったというそんな終わりだったんですね。
それでもプログラマーとして雇ってくれるんだったらここでいいやって感じで喜んで入ったんですが、なにしろ全然知識がない状態なんですよ。強いていうならば、一般教養で情報処理っていうのを勉強していてその時にコンピュータっていうものにちょっと興味を持って、且つたまたまなんですけど年の離れた兄がパソコンが趣味で、当時としては相当変わっていたと思うのですけど、家にパソコンがあったんですね。普通家にパソコンなかったと思うのですけど、兄貴がどっかからか調達してきたパソコンが家にずっとある状態だったので、たいして触りはしていなかったんだけどもパソコンというものがこの世に存在するという事は知っていたんです。そういう事もあってアレルギーがなかったというのは大きかったかなと思います。そして映画で『007』というのがあるんですけど、それに出てる「Q」っていうキャラクターがいてですね、これがかっこいいんですよ。かっこいいっていっても、じいちゃんなんですけど、最近の作品だと若者に変わりましたね。じいちゃんエンジニアで、ジェームズ・ボンドが使うボンドカーとか武器とかを開発するっていうのが出来るんです。「Q」っていうキャラクターがいなかったら007は30秒で死にますから。絶対生き残れないんですね。彼のおかげで007は活躍が出来ているわけなんですけども。その裏を支える「Q」というキャラクターがかっこいいなと思ってエンジニアが就職をする時の選択肢になり、じゃあプログラマーっていうのもありかなって思ってシステムエンジニアになったわけですが、とにかく全く役に立たないですね。知識すっからかんですから、とにかく何がなんだかわからないです。そして先ほど言ったようにインターネットよりも前の時代の話なので、調べようがないんです。本を読むか、人に聞くか。だけど本を読むっていっても書いてある言葉がわかる人向けに書かれているので、全然わからないんですね。「アルゴリズム」とか書かれても何のリズムかわからないとか、それぐらいさっぱりわからないんですよ。これ本当にそうなんですよ。「アルゴリズム」っていうのが何かのリズムだと思っていましたから。それくらいちっともわからなかったんですけど。とにかく僕は先輩に恵まれたんですね。僕の1年前に入社した先輩が第2新卒の先輩だったんですけど、凄く優しい人で、背格好も同じくらいで、ただ紫色のスーツとか着てきちゃうようなすごいとんがった人だったんですけど、なんかその人と凄く仲良くなって可愛がってもらったんで、どうにか2年くらい必死こいてやってたら、ここでですね、凄い事が起きたんですね。何が起きたかというと、インターネットが出来たんですよ。どこからともなく、1995年に「Windows95」というものが登場してインターネット元年を迎えたわけですね。そこで僕はキャリアが大きく変わりました。その前までは失敗の連続で、プログラムというのは書くとコンパイルっていうのを通して機械がわかる状態にするんですけど、そのコンパイルが通った試しがないですから。とにかく毎回毎回全然まともに動かないものばかり書いていたんですけども、インターネット時代がやってくるとですね、そのプログラミングという概念が随分変わってくるんですね。あと、グラフィックで色々なものを配置していくと勝手にコードが吐き出されるみたいなものが出てきたりだとか、とにかくですね、僕にも出来る事がだんだん増えてきたという事と、あと1番大きいのが全員が初心者に戻ってくれたという事なんですね。というのも、インターネット時代というのは1995年にスタートですから、その当時にエンジニアをやっていた人もインターネット時代というものは味わった事がないんですよね。ですからその時代というものの幕開けにいたということは、これはすごく大きなことかなと思います。それによってですね、僕はインターネットにのめり込むんですね。その当時のお給料からすれば結構無謀な金額の1番高いパソコンというのを買って、回線もすぐに契約をしてもう毎日毎日インターネット繋ぎまくってたんです。そしてインターネットで、世界中の情報にアクセスしたりだとか、地球の裏側にもこんな簡単にメールって届くんだっていうのを自分で体験してみたりだとか、そんな事をやってですね、めちゃくちゃ世界変わったなっていうのを実感したわけですね。ですので、僕のキャリアにとってインターネットというものがある意味救いの神だったと言えるんじゃないかなと思います。これインターネットが今当たり前の世界になってるんで、なんかピンとこないって言う人もいるかもしれませんけれども、インターネットがなかったら僕の今のキャリア絶対ないんです。ここで一句を読むんであれば、「ポンコツな 僕を救った インターネット」もうこれに尽きるかなといった感じですね。もう一回大事だから言いますよ。「ポンコツな 僕を救った インターネット」。インターネットがなかったら僕はポンコツエンジニアのままでですね、もう野垂死んでたかもしれないですね。
ですけどその後っていうのは本当に時代の進みっていうのはがんがん来たわけですよ。どんどんどんどん早くなっていって僕でも活躍出来るようになってきていたんですね。そして5年、前の会社に勤めて、日本マイクロソフト(当時はマイクロソフト株式会社)に転職をしてその後もですね、大活躍したのかっていうとまたリセットがかかりましてですね、僕よりもはるかに優秀な連中がゴロゴロいる会社だったので、いきなりポンコツ逆戻りだったんですけどもひーひーあがいていたら、まあどうにかこうにか会社にも認めてもらったりとか、色々な成功体験を積んだという感じになってるんです。とにかくその時代の変化というのを、まあ幸いな事に立ち会うことができ、そしてすぐにそれに乗っかったっていうのが今の僕を作ってくれたのかなと思います。当時、インターネットに接続するために僕は個人でパソコンを買ったんですけども、その時に周囲ではですね「会社でもさんざんコンピュータ触るのになんで家に帰ってまでパソコン触るの」っていう風に言われた事もあったんですね。仕事で使ってるんだから家くらいコンピュータない生活の方が良いじゃんっていう風に言われた事もあったんですけど、結果として僕は自分でコンピュータを買った事によって自分のキャリアを作ることが出来たんです。自分に対する投資っていうのはこれ凄く大事かなって思います。今ですねもう1回リセットボタン世界中で押されているわけですよ。インターネットによって世界っていうのは完全にリセットがかかって、その前後ってのは別世界にありました。いうまでもなく2020年、COVID-19新型コロナウイルスによって思いっきりリセットかかってますよね。その前後っていうのは別世界っていうふうに考えています。もうとにかく別世界になったっていうところに皆が立ち会っているわけですから、これを思いっきり生かしていくっていうのが、これからのキャリアにおいてはすごく大事かなって僕は思っているんですね。特にこれから社会人になる人なんかは、なんでこんな混乱した時代に社会人なっちゃったんだって言って、へこんでいる人ももしかしたらいるかもしれないんですけど、僕はこれを逆にめっちゃチャンスだと思ってもらった方が良いと思うんです。なにしろ、誰も答えを持ってないですからね。新型コロナウイルスっていうので世界がぐちゃぐちゃになっている状態でどうやったら上手く生きていけるのかっていう誰も知らない状態なんで、皆が自分で勝手にデザインできるっていう事なんですね。ですのでこれを聞いているあなたも、新社会人になるあなたも、自分の未来を勝手にデザインしていいんだっていう風に思ってもらえると気が楽なんじゃないかなと思います。おっさんたちがですね、何か偉そうにものを言ったとしてもその人だって未来の事は絶対わかりゃしませんので、未来は自分で作れるんだっていう風に思ってもらえるといいかなと思います。
という事でですね、社会人1年目はとりあえずポンコツだったよって話をしました。もうですね、記憶が飛んじゃうくらいポンコツだったんですよ。なんにもわかんない状態ですから。ですけどじたばたしているうちにですね、なんか知んないけど世界が変わってくれて今の僕がいます。特に今の世の中めちゃくちゃになっている状態じゃないですか。上手くそれを乗り切ってもらって、乗り切るとは我慢する事じゃないですよ、楽しんで誰も答えを持っていない世界で自分の答えを作るという風に考えてもらうと良いんじゃないかなと思います。という事で、今回は僕澤円の社会人1年目の思い出でした。スターチャンネルで3月から放送の『インダストリー』でも、様々な魅力的なキャラクターたちが新卒で頑張っているようです。ぜひ見てくださいね。
■村田あつみ編 podcast文字起こし
私は株式会社ラブグラフという出張撮影の会社を学生時代に学生企業で立ち上げて、そこからずっとやっていて今7年目です。この前の2月12日が6周年で、もう7年やってるので、学生企業からずっと自分の会社やっているように思ってもらっているかたも多いかなと思うのですけど、私の社会人1年目は実は新卒で大企業の方に就職しているんです。その頃の話だったりをお話出来ればと思います。
元々小さい頃からお絵描きや学校の美術とか図工が好きで、例えばお母さんの誕生日とか弟の誕生日とかに図画工作をしてメッセージカードとかを作ってプレゼントするような子供でした。どちらかというと、実は大人しめだったので、大学は同志社大学の文系で、総合職でバリバリの営業とか、銀行で受付だったり、人と話す仕事に進む人が多い学部(社会学部)でした。そのままいったらめちゃくちゃ人としゃべらなきゃいけないっていう社会人になるなと思っていて、それが死んでも嫌でちょっと根暗気味だったので、絶対にパソコンを使う仕事がしたいと強く思っていました。自分は私立文系で全然デザインとか全くやっていなかったんですけど、元々お絵描きだったりとかちょっとデザインみたいな事が趣味程度で好きっていうのもあって、独学で始めにマックとフォトショップを買ってデザインを勉強し始めて、なんとか就活を始めたという感じでした。その時に関西の大学生がやっているスタートアップのwebデザイナー見習いという感じでデザイナーとしてのキャリアを歩み始めたというのが社会人1年目で、デザイナーになるきっかけとなったんですけど、初めデザイナー見習いで全然順風満帆だった訳ではなくて、初めは全然デザインが出来なかったんですね。出来なかったのにフォトショップとマック持っているってだけでデザインやってますって感じで盛って入ったっていうのもあって。初めにいきなり「この名刺のデザインアイデア明日までに10案考えてきてよ」みたいなことを言われた時に、え、どういう事?次の日までに10案は無理とか、「来週までにこの本全部読んできてね」みたいな感じで30冊くらい本を渡されたりして、どういうこと?みたいな、凄い混乱してたんですね。そういうハード・シングスというか、今思えばちょっとブラックっぽいのも乗り越えながら、デザイン案を作って出していて、デザインは繰り返すうちに出来るようになっていたんですけど、そこからどんどんデザインが面白くなくなっていったんですよ。元々小さい頃からお絵描きが好きで、そこからデザインを好きになって始めた仕事だったのに、本当にどんどんデザインが面白くないなって思っていったんですよね。それで、その時になんで面白くないのかなって考えた時に、気づいたら上司とかクライアントのためにやっているって事に気づいたんですよ。元々は人を喜ばせるため、お母さんの喜んだ顔が見たいとか、弟をびっくりさせたいからという気持ちで好きなものだったのに、上司を早く黙らせたいからとか、クライアントに早く納品して仕事を終えたいからやっている、みたいな事が自分の仕事のスタンスになってしまっていました。そもそも自分が共感出来ないサービスだったりとか会社だったりのデザインをしているうちにどんどん心がすさんでいって、始めは心からいいなと思うからデザインをしていたのに、このサービスそもそもやっても意味ないなと思いながらそのサイトのデザインをしたりっていう事があったんですよね。例えば自分だったら途中で就活サイトのデザインを担当する事になった時期があったんですけど、その時自分自身もまだ就活生だったんですよ。就活生だった時に就活サイトのデザインをしていて、自分も就活生だったから、そもそもこの就活の仕組みがくそじゃんって思っていたんですよ。企業側から選ばれるように泥臭く頑張って何社も行きたくないところにも行きたいですって嘘ついて、みたいな就活の仕組みがくそなのに自分がその就活サイトのデザインをしているって全然気持ちが入らなくて。もう早く終わらせたいなとしか思っていなかったんですよね。そういう風にデザインをこなすように、心を殺してやっていくうちに、本当に心から好きな事をやりたいなと思ったんですよ。そのタイミングで自分が本当に心から好きなものってなんだろうっていった時に思いついたのが、カップルの惚気話とか芸能人カップル、みきてぃと庄司さんとかりゅうちぇるとぺこさんとか、周りのカップルの友達の惚気話聞いたりがめちゃくちゃ好きだったり、家族もめちゃ仲良かったので、カップルだったり家族だったりにまつわるサービス、恋とか愛とかをテーマにしたサービスに携わりたいなと思って、今やってるラブクラフっていう出張撮影サービス、家族とかカップルの写真を撮ってあげるというカメラマン派遣のサービスみたいなのを思いついて友達と始めたんですよね。まだこの話入社してないんですけど、大学4年くらいの時だったんですよ。
自分のサービスを始めてからは本当にデザインがめちゃくちゃ楽しくて、その実績もあってそのまま就活して、新卒では「リクルートホールディングス」にいく事になったんですよね。自分の会社もありながらリクルートに入るという事だったので、どうなるかなと思っていたんですけど、そのまま新卒1年目で入社して、リクルートって副業だったり自分の会社やりながら就職される方も多いので、結構副業やっている子もいたんですけど、自分のやっているラブグラフが思ったよりも成長がめちゃくちゃ早くて。自分がリクルート入りたてで研修している中、ラブグラフの仕事で電話がかかってきたりとか、「今すぐサイトの改修をしてください」みたいなお願いのメールが来たりとかで、給料は2倍、新卒で入った会社の給料と自分でやってる会社の給料でお金は2倍だけど時間が2分の1しかないっていう状況に陥ったんですよ。それまでは社会人とか大人になったらお金なんてあるほどいいって思ってたんですよ。お金があれば幸せになれると思っていたのですけど、その時に気づいたんですよね。お金より時間の方が遥かに大事だって。お金はいくらでも生み出せるというか青天井、いくらでも稼げるんですけど、時間って増やす事が出来ないんですよね。という事に気づいてしまって、お金より時間の方が遥かに大事だと思って、その時にどっちかにしようと思いました。自分の会社と新卒で入社した会社。どっちの方が自分にしか出来ないことかなという風にまた立ち止まって考えた時に、さっきの学生の時の話も同じなんですけど、本当に心から自分が好きで働ける方、自分にしか出来ない方はどっちだろうって考えたんですよね。その時にリクルートの方は自分よりも優秀な人は同期だったら100人くらいいたので私がいなくてもいけるな、一人くらいいなくてもばれなそうだな、まあバレるのですけど、そういう風な気持ちだったというか。周りの状況を見ていても、リクルートには仕組化も出来てるし代わりもいるけど、自分の立ち上げた会社は自分が必要だっていう事を痛感していたので、その時にまだ入社して3か月だったんですけど、新卒で入社したリクルートをやめる事にして自分の会社にフルコミットする事になりました。本当にリクルートさんには申し訳ないんですけども、入社して3か月、研修だけ受けて退職させていただいて、卒業おめでとうみたいな感じでめちゃくちゃ心が広くて、一応ケーキとかもらって退職させてもらいました。応援してくれたリクルートにはめちゃ感謝してます。そこからはずっと今のラブグラフっていう会社をやっているんですけど、そんな入って1年目の色々あった始めの三か月でした。
そこからは自分で自分の会社をやっていくっていうところで、まず始めにあったちょっと印象的な話が。資金調達ていうんですけど、投資をうけるっていうタイミングがあって、その時投資って何かもわかっていなかった状況で、共同創業者の社長の男の子に、ラブグラフに投資したいって言っている人がいるから会ってほしいって言われて。恵比寿かなめちゃくちゃ高そうなご飯屋さんに通されて奥の個室でドアばんって閉まっておじさんというかお兄さん3人と共同創業者のパートナーと私、女の子1人みたいな感じで急におもむろな雰囲気でラブグラフに投資させてほしいって言われて。結果的に言うとめちゃ凄い人で、凄い有名な人だったんですけど、その時その人の事を知らなかったので、誰このおじさんって思ってたんですよ。知らないおじさんとお兄さんに囲まれて、私騙されてるのかなとめちゃくちゃ思っちゃって。結果的にその人たちに投資してもらって凄い良かったんですけど、その時まだ22歳、23歳とかだったので世間知らずで資金調達とか投資とかよくわかんなかったので怖すぎて、最終的にその個室で号泣するっていうエピソードがありました。だからめちゃくちゃ怖かったですね。リアルに泣きそうとかではなくてリアルに泣いてしまうくらい、始めは経営とかお金を動かして会社をやっていくっていう事がわからなくて、すごい手探りでしたね。
そんな中でも、ずっとわからないながらも頑張ろうって思えてたのは、勿論好きだったサービスっていうのもあるんですけど、それよりもその時はまだ若かったので、周りに負けたくないとか、結構凄い嫉妬するタイプだったんですよね。周りの同世代で活躍しているスタートアップの若手社長だったりとか、活躍しているエンジニア、デザイナーだったりとかに負けたくないし自分もそうなれるはずってどこかで思っていて。そういった時に嫉妬して人の足を引っ張るような事をするっていうアクションもあると思うんですけど、私の場合は嫉妬した時に嫉妬してるって事はそれが自分の欲しいものなんだなっていう風に解釈して、じゃあ手に入れよう、欲しいものを気づかせてくれてありがとうっていう風に解釈していける癖がどんどんついていって、嫉妬心を燃やして燃料に変えて頑張ってたっていうのがその時の一番のモチベーション、というかエンジンになっていたかなって思います。そこで、あの頃の自分で一句を読ませていただきます。五七五で今話したお話を一句読むという企画があるので詠ませていただきます。「嫉妬心 赤く燃やして 燃料に」という五七五なんですけれども、心を燃やせっていうところで今流行りの『鬼滅の刃』の炎みたいな感じでですね、普通嫉妬するって辛いイメージというか結構ネガティブなイメージだと思うんですけど、凄い心を燃やせる、めちゃくちゃ最高な燃料だと思っているので、それを燃やして自分が頑張っていくっていう、前向きな燃料に、ポジティブなエネルギーにしていけたら良いんじゃないかなという風に思っております。
という事で今回は、私村田あつみの社会人1年目の思い出でした。スターチャンネルの方で3月から放送の『インダストリー』という番組があるんですけども、ここに様々な魅力的なキャラクターたちが社会人1年目という事で、奮闘するストーリーなんですけども、投資銀行の話らしくて私のイメージでは、半沢直樹のイギリス版、若い版みたいな感じなのかなと勝手に思っております。素敵なキャラクターが頑張っていくストーリーになっていますので是非見てください。
■りょかち編 podcast文字起こし
私はコラムニストとしてだけではなく会社員としても働いていて、新卒からずっと同じ会社で今6年目になります。社会人1年目の頃を思い出して思ったのが、社会人になって1,2年目ってその後の大人としての自分、社会に接する自分の基礎を作った1年間だったなと凄く思っていて、というのも入る前と入って1年後くらいに性格診断テストみたいなものを受けたんですよ。入社する前は右脳人間というか、感性の成分が多かったのですけど、1年くらい経ったら全然診断結果が変わり、ロジックの部分が凄い強化されていて、それくらい如実に表れる程自分を変えてくれた数年間だったなという風に思い出していました。
実際どんな自分だったかというと、凄く周りの人が優秀だったので結構焦っていたかなと思っています。じたばたしてもがいていたような事を思い出しますね。でもそういう経験が出来るのも会社があってからこそかなと思っていて。フリーと会社員として両方働いていますけど、会社員でいる事って未来への投資をしてもらっている感覚があって、フリーで働いていると、”りょかちさんに出来そうな事”という事をお仕事として振られる、出来る事を頼まれる事が多いですけど、会社員や新卒1年目って挑戦させられているというか、出来ないと思うけど背伸びしてやってみてほしい事を頼むとか、出来るようになってほしい事を頼むとか、そういう機会がすごく多いと思うんですよね。だからこそ会社員になることのメリットってそこだと思っていて、挑戦させてもらえるというのは新卒1年目の良いところなのかなと思いました。新卒1年目はめちゃくちゃ色々挑戦させてもらってそれで今の自分はあるので、新卒1年目がチャレンジ溢れる1年で良かったなと思っています。
あとは凄い今よりもっともっと焦っていたなと思います。原因が1つあって、経営学部だったのですが、簿記の先生が初回の授業で、「なんでもスタートダッシュが大事」と言っていて、何故かというと「最初に1番だって周りから思われた人には1番すばらしいチャンスをその人に与えようとする、だから絶対スタートダッシュを頑張らないとだめですよ」と先生が言っていたのをすごく覚えていて、だから1年目は同期に負けないように頑張っていたというか焦っていたという思い出がありますね。でも今入ってみて思うのは勿論最初からずっと走っている人は有利だと思います。みんなに最初から期待されてどんどん良いチャンスを貰って活躍している人もやっぱり多いなと思いますし、新卒で頑張る事って価値のある事だなと思っています。でもコツコツ頑張って少しずつ力をつけて、5年目とか6年目とか10年目とか、あるいは違う会社に入ってとか改めて活躍する人も多いので一概には言えないなと。簿記の先生は最初の授業を頑張らせるために言ったんじゃないかなと今になっては思いますね。どっちにしろ今目の前にある事を頑張るというのが凄く大事なのかなと思います。
あとは1年目は大変な事も多いですし、会社員という事、生活もそうですし仕事というもの事体に慣れていない事が多いと思うのですけど、そういう時に頼りしていたというか心の支えにしてたのが、やっぱり同期かなと思っていて。私結構同期と仲良くて、毎日1回はラインするし、集まる機会は少ないんですけど結構まめに連絡をとっていて、凄くドライな言い方をすると人生のベンチマークというかライバルというか同級生というか、そんな感じの人なので自分がこう頑張っている今あいつはどう頑張っているんだろうというのを見ながら励まされる事もあるし焦らされる事もあるし、辛い時は慰めてもらったりもしたし、人生の宝だなって思っています。
あと6年目になって思うのは、最初は似たような環境で頑張って、あいつああいう仕事するんだとかあいつやっぱり出来るわとか競っていた仲間たちが5~6年経つと、一人はワーホリで海外に行って自由に働いていたり、映像会社に行って元々とは全然違う仕事をしていたり、違う会社で凄く活躍していたり、あとはベンチャーのC~~Oみたいな偉い人になっていたりとか。色々な人生があるのだなというのを教えてもらうようになったのも同期の影響なのかなと思います。新卒1年目といえば大変という事とか、自分の人生を変えるとか価値観を変えるというのもそんなんですけど、同期という人生の宝が出来る期間なのかなと思っています。
今回の一つ宿題として川柳を考えてくださいと言われていたので考えてみました。私のあの頃を思い出して詠んだ川柳は、「人生を 大きく変えた 通過点」にしました。前半は喋っていた通りで、やっぱり新卒1年目って大人としての自分の基礎とうか根っこというか、今更これを変えろと言われても変えられないなと今となっては思ってしまうくらい根幹の部分を作る数年だと思ったので「人生を大きく変えた」としました。後半の「通過点」というところは、とはいえ数年経ってみてそこに当てはまらないキャリアを歩んだ同期もいるし、私も今みたいなコラムニストとして働くとは思っていなかったので、あくまでそこが決定という事ではなくて「通過点」という言葉を使ってみました。新卒1年目の感想みたいなのが伝わればいいなと思います。
今回はりょかちの新卒1年目の思い出を語ってみました。スターチャンネルで3月から放送の『インダストリー』でも同期がテーマで同期同士で争い合うというか、サバイバルみたいな事をするという事で、同じようなスペックの人間が集まりがちだけど、皆個性があるというのが同期かなと思うのでどういうふうに戦うのか、キャラクターたちは全員新卒という事で私も凄く気になっています。ぜひ見てみてくださいね!