ロンドンを恐怖に陥れた連続絞殺魔の捜査をめぐり、犯人の濡れ衣を着せられた男の逃避行を描く、ヒッチコック晩年の代表作。
ハリウッドで活躍したアルフレッド・ヒッチコック監督が、故郷イギリスに戻って撮影した、お得意の“巻き込まれ型”サスペンス。殺人の濡れ衣を着せられた男の逃避行を、ブラック・ユーモアを絡めながら描く。ハリウッド時代のヒッチコック作品とは打って変わり、美男美女やきらびやかなスターこそ登場しないものの、スピーディかつキレのある演出で緊張感を高めている。生活感漂うロンドンの下町の風景も見どころ。

ネクタイで女性を絞殺する連続殺人事件に震え上がるロンドン。そんな中、酒場を解雇され金に困ったリチャードは、結婚相談所を経営する元妻ブレンダを訪ね、思惑通りに金を手に入れる。だがその翌日、彼女が一連の事件と同じ手口で殺害されてしまう。警察は状況からリチャードを犯人と断定するが、実はリチャードが訪ねた後に、彼の友人であるラスクが、ブレンダのオフィスを訪れていた。身に覚えのないリチャードは逃亡するが…。