記憶や経験までコピーできるクローンを作った理由が“自分の自由な時間欲しさ”という安易な動機であるというストーリーだが、特筆すべきは主人公に扮したマイケル・キートンの演技。作品によって異なる顔を見せる芸達者だけに、次第に増殖してゆくクローンたちの性格の違いを見事に演じ分けている。コピーすればするほど劣化してゆくという風刺を効かせているだけでなく、心温まる物語に仕上げた監督の手腕もみどころのひとつ。

多忙なため妻子と団らんの時間が取れず、困り果てていた工務店の現場監督ダグ。ある日、遺伝学者のリーズ博士と知り合った彼は「もうひとり自分を作れば生活にゆとりが生まれる」という言葉に乗せられ、クローン人間２号を作る。家事を始めるダグはそれでも手が足りず、お手伝い用としてクローン人間３号も製作。しかし２号と３号が雑用係として勝手に４号を作ってしまい、増殖するクローンはいつしか収拾がつかなくなってしまう。

• HAROLD RAMISハロルド・レイミス

• MICHAEL KEATON マイケル・キートン ／安原義人（吹替）
• ANDIE MacDOWELL アンディ・マクダウェル ／高島雅羅（吹替）
• HARRIS YULIN ハリス・ユーリン ／池田勝（吹替）
• ZACK DUHAME ザック・デュアム ／大谷育江（吹替）
• KATIE SCHLOSSBERG ケイティ・スクロスバーグ ／こおろぎさとみ（吹替）