暴行

黒澤明監督の名作『羅生門』を基にした舞台劇の戯曲をハリウッド・リメイク。１９世紀末のアメリカ西部を舞台に、１人の男の死をめぐり、３人の証言者の話がことごとく食い違い、真相がますます謎に包まれていく様を通して人間の本性を鋭くえぐったドラマ。監督は『ノーマ・レイ』のマーティン・リット。出演は『ハスラー』シリーズのポール・ニューマンと『影なき狙撃者』のローレンス・ハーヴェイ。
【ストーリー】１８７０年代、アメリカ西部のとある駅。牧師とペテン師、そして探鉱者の３人が昨日の裁判について語り合っていた。それはメキシコ人盗賊のカラスコが旅行中の夫婦を襲った事件で、妻は捕らわれの身となった夫の目の前で暴行され、夫は刺し殺されるという悲惨なものだった。やがて裁判では、カラスコ、妻、そして死に際の夫から話を聞いたという老人がそれぞれ証言をすることに。ところがカラスコと妻の証言は真っ向から対立し、さらには老人の証言もそれらとは全く異なっていた。こうして事件は混迷を極めていくのだが…。