国家や警察組織など腐敗した権力への鋭い批判精神で知られるイタリア映画界の異才エリオ・ペトリ監督の代表作。殺人を犯した主人公の視点で物語が進行し、愛人との異様な愛憎関係や、次第に破滅願望を募らせてゆく心理描写など、社会派サスペンスであると同時に不条理劇としても秀逸。エンニオ・モリコーネの音楽が不穏な雰囲気を盛り上げ、カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリとアカデミー外国語映画賞をＷ受賞した。

ローマ市警殺人課の課長は敏腕だが、権力をカサに来た傲慢な男だった。ある日、愛人のアグスタが学生と浮気していることを知った彼は、口論の挙句に彼女を殺してしまう。彼は自ら警察に通報するが、警察はアグスタの前夫を容疑者として逮捕し、捜査は行き詰まる。現場には課長の指紋や証拠品が残されていたが、警察内には誰ひとり彼を疑う者はいなかった。そんな矢先、有力な目撃者が現れ、課長は犯行を自供するが…。

★アカデミー外国語映画賞受賞。カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、国際映画批評家連盟賞受賞。

• ELIO PETRIエリオ・ペトリ

• GIAN MARIA VOLONTE ジャン・マリア・ヴォロンテ
• FLORINDA BOLKAN フロリンダ・ボルカン
• GIANNI SANTUCCIO ジャンニ・サントゥッチオ
• SERGIO TRAMONTI セルジオ・トラモンティ
• MASSIMO FOSCHI マッシモ・フォッシ