アッバス・キアロスタミ監督の愛弟子にして、世界三大映画祭で受賞経験のあるジャファル・パナヒ監督のドキュメンタリータッチで描いたドラマ。政府への反体制的活動を理由に“２０年間の映画監督禁止令”を受けている監督が、自らタクシー運転手に扮して撮影を敢行。厳しい情報統制下にあるテヘランの街に暮らす乗客の人生模様を映し出し、ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた。決して諦めない勇気とユーモアが心揺さぶる人生賛歌。

タクシーがテヘランの活気に満ちた色鮮やかな街並みを走り抜ける。運転手はジャファル・パナヒ監督自身。車内には、死刑制度について議論する路上強盗と教師、一儲けを企む海賊版レンタルビデオ業者、交通事故に遭った夫と泣き叫ぶ妻、映画の題材に悩む監督志望の大学生、金魚鉢を手に急ぐ２人の老婆など。ダッシュボードに置かれたカメラを通して、個性豊かな乗客の悲喜こもごもの人生と現在のイラン社会が浮かび上がってくる…。

★ベルリン国際映画祭金熊賞受賞。

• JAFAR PANAHIジャファル・パナヒ

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